兄の命・・・
9ヶ月しかない・・・
夜に一本の国際電話・・・
静かに涙が流れる今・・・
雨の多いハワイの空・・・
月も星も見えない夜空・・・
何か知らせてくれたかなぁ??
がんの細胞・・・骨まで来ました・・・
残された命・・・
妹の私に何か出来る?
眠れない夜・・・
奥さんと子供がいる兄・・・
大好きな兄・・・
子供の頃に・・・いつも兄に見守られて・・・
無口の兄だけど・・・縁の下の力持ちの兄です・・・
小さい時・・・歩きたくない時・・・
兄の背に乗せてもらって・・・
あの険しい道を・・・
リンゴの木の下で私が食べたがる様子を見て・・・
兄がリンゴを取って食べさせてくれた・・・
生涯・・・仕事ばかりしていた兄ですが・・・
もうすぐ生まれた時と同じ裸のままにあの世に・・・
悲し過ぎる・・・
兄の愛・・・深く・・・深く感じています・・・
痩せて・・・細い兄ですが・・・
心のやさしい・・・愛がいっぱい・・・いっぱいある兄・・・
一分一秒でも命を延ばせるなら・・・
ステーキや海老がたくさん食べられなくても・・・
ご飯とみそ汁だけでも・・・
母に感謝し・・・幸せに・・・
笑顔で送りたい気持ちです・・・
兄の意志・希望・・・
私が引き受けるつもりです。
愛する人よ・・・
ひとり・・・ひとり・・・この世を去っていく・・・
娘が生きていた年月・・・
母として・・・毎日・・・愛をいっぱい持って・・・娘と生活してきました。
主人も長い人生の中・・・
夢のあることをして・・・最後の最後まで・・・夢を現実にして・・・
何一つ隠すことなく・・・
すべて自分らしく生きていた・・・
主人の妻であることの幸せ・・・
いろいろ大変なこともあったけれど・・・
愛情が何よりも深く・・・深く・・・
そして・・・
兄に・・・妹が出来ることをしたい・・・
悔いのないように・・・
最後の最後まで見守りたいです。
車いすの用意も・・・
ハワイの空の下で・・・妹が毎日そばにいられるように・・・
兄がよく言っていたこと・・・
「命をかけても妹を守る」
今・・・妹が命をかけて兄の命を延ばしたい・・・
母からの愛情・・・
そして兄弟姉妹の愛情・・・永久の宝物に・・・